日別アーカイブ: 2014年5月31日

ネットワークオーディオのトラブルについて

昨年、日経ネットワーク誌に、ネットワークオーディオのノイズ混入実験の記事※を書いてから、ネットワークオーディオのトラブルに関するお問い合わせが増えてきました。

※日経ネットワーク 2013年8月号
試せば理解が進む ネットワークなんでも実験室
ネットワークオーディオに雑音が混じる原因を突き止めろ
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/backno/NN0160.html

 

良くあるのは
(1)NASとオーディオプレーヤーがつながらない
(2)音が途切れる
(3)音にノイズが混じる
(4)IPアドレスがらみ?のトラブル
です。

案件によって異なりますが、
多くの場合は、LANケーブルの不具合や、ケーブルの接続間違い、ネットワーク機器
(ルータ、NAS、NWオーディオプレーヤ、スイッチングハブ)の設定間違いによるIPアドレスの割り当ての不具合が、原因のようです。

 

アドバイス

ネットワークオーディオのトラブルに対するアドバイスですが、下記の基本的な事項を守っていただけると、不具合が解消することが多いようです。(すべてのトラブル事例に当てはまるわけではありません)

・ネットワークの中核にスイッチングハブ(L2スイッチ)を配置して、
そこに集線する。(NWオーディオプレーヤー、NAS、
ブロードバンドルータ等をつなぐ)

・ブロードバンドルータをLANに接続して、常に動作させる。
  ブロードバンドルータが内蔵する、DHCPサーバを常に、ネットワークに接続しておきます。

・固定IPを使わない。DHCPサーバを使う(自動設定に任せる)
ネットワークやPCの知識に自信があり、IPアドレスの構成設計が
できる場合を除き、 IPアドレスは自動設定(DHCP)を使う設定に
したほうが良いでしょう。
また、DHCPサーバーを接続せずに、DLNA/UPnP機器が有する AutoIP 機能によるIPアドレス自動割り当て機能を使った場合でも、NASとオーディオプレーヤーの接続ができる場合もありますが、
インターネット上のサーバとつながらない等のトラブルが出 やすいので、DHCPサーバを接続してください。
・LANケーブルは、シールドが無い普通のカテゴリ5Eを使う。
シールド付LANケーブル(俗にSTPと呼ばれているもの)は、使い方
が難しく、ネットワークのプロでも、使いこなしに困る代物です。
特に、STPに未対応の機器にSTPケーブルをつなぐと、ノイズ混入
等のトラブルの原因になる場合もあります。まずは、シールドなし
LANケーブル(UTP)で、接続をしてください。
・LANケーブルのアクセサリはすべて外す
すべてのイーサネットLANを使った機器は、始めからパルス
トランスでアイソレートされていますので、安心してください。
・無線LANを使って接続しない。
無線LANは、他の無線LANの電波と干渉して、転送レートが落ちた
り、接続が切れたりする場合もあり、 不安定になりがちです。
特に、データ量の多い、ハイレゾ音源には不向きです。
・ルータは1台にする。
無線LANルータを追加後、IPアドレスの配布がおかしくなる場合
があります。これは、DHCPサーバ機能が複数になるため、IP
アドレスの配布が混乱するためです。すでに、ルータがある環境
では、追加する無線LANルータのルータ機能を切って使用する
る必要があります。

とにかく、オーディオ機器であるまえに、
通信機器として安定して動作させる必要があります。
そのためには、通信機器として、ごく普通に、ごく当たり前に接続して、動作させることが大事です。音質とかは、その後で、チューニングしてみてください。